2026年 福岡市長選挙 / 家族向けのまとめ

福岡市長選のてびき

市長は何をする人で、何ができないのか。16年つとめた高島市長は何を約束して、どうなったのか。今回の候補者を見る前の下ごしらえです。

告示 11月1日(日)
期日前投票 11月2日〜14日
投票日 11月15日(日)
任期満了 12月6日
PART 1

市長ってなにする人?

市長は「案を出す人」、市議会は「決める人」です。お金の使い道(予算)を作れるのは市長だけですが、それを通すには議会の賛成がいります。警察や法律のように、そもそも市の担当ではないものもあります。

市長(1人)
  • 予算を作って出す(市長だけの権限)
  • 条例の案を出す
  • 市役所の職員の人事を決める
  • 決まった予算で仕事を進める
予算・条例の案を出す
賛成・反対・修正する
やり直しを求める(再議)
不信任を決める
市議会(62人)
  • 予算と条例を決める(議決)
  • 副市長を選ぶことに同意する
  • 決算を認める
  • 大きな契約を認める
市長も市議会議員も、別々の選挙で市民が選びます。市議会の次の選挙は2027年春です。
任期4年回数の制限はない
立候補できる人25歳以上住所の条件なし
投票できる人18歳以上市内に3か月以上
市の1年の予算1兆1,318億円2026年度 一般会計
職員の定数18,803人半分以上は学校の先生など

出典:地方自治法 第140条ほか、公職選挙法 第9・10条(e-Gov)、福岡市公報 第7233号、福岡市の人事行政、市選管

約束を3つに仕分ける

候補者の約束を聞いたら、「市長が当選すればできること」なのか、「議会の賛成がいること」なのか、「そもそも国や県が決めること」なのかを考えると、話の重さが分かります。

市長だけでできる

当選すれば、その日から動かせる

  • 市役所の組織や部署の見直し
  • 局長などの人事
  • 窓口やオンライン手続きの運用
  • 決まった予算の中で、何を先にやるか
  • 次の予算に何を入れるかを決めること

議会の賛成がいる

市長が出し、議会が決める

  • 新しい事業のお金(給食費の無償化など)
  • 手数料や使用料の上げ下げ
  • 市民に新しい決まりを課すこと
  • 副市長を選ぶこと
  • 市独自の税(宿泊税など。国の同意もいる)

国や県の担当

市長は頼むことしかできない

  • 警察(福岡県警)
  • 税の種類と税率の大枠、法律
  • 県立高校、私立学校
  • 国が管理する国道の一部
  • 教科書を選ぶこと(市の中でも教育委員会)

福岡市は政令指定都市なので、ふつうの市なら県がやる仕事の一部(県道の管理、小中学校の先生の給料、児童相談所など)を市が担当しています。

やってみよう:この約束、市長だけでできる?

PART 2

高島市政16年の答え合わせ

高島宗一郎さんは2010年に36歳で初当選し、4回の選挙に勝って16年つとめました。今回は立候補しません。4回の選挙で何を掲げ、何をして、何が残ったのかを、出典つきで並べます。良い・悪いはつけていません。

選挙投票率高島さんの得票得票率立候補者
2010年11月14日43.67%209,532票43.07%8人(現職を破って初当選)
2014年11月16日38.73%256,064票56.83%6人
2018年11月18日31.42%285,435票75.14%2人(投票率は過去最低)
2022年11月20日34.31%329,606票75.70%3人

出典:市選管「市長選挙 候補者得票数の推移」。2022年は有権者128万人のうち、約3人に1人が投票しました。

掲げたことと、その後

やった 掲げた形で実現 途中・一部 進んだが途中か一部 やめた・変わった 取りやめ、中身が変わった 数え方で割れる 達成したかは定義しだい 確かめられず 公式の数字が見つからない

印の本人の発表は高島さん側の数字で、こちらで独立に確かめていないもの。論調ありは、特定の立場から書いている媒体です。

「待機児童ゼロ」は数え方で変わる

2010年の一番大きな約束は待機児童の解消でした。国の決まりで数える「待機児童」は2014年にゼロになりました。一方で、申し込んでも入れていない子(未入所児童)は1,000人前後で推移しています。どちらの数字を見るかで「達成した」とも「していない」とも言えます。

待機児童(国の定義)未入所児童(入れていない子)

各年4月1日時点。2016〜2018年は市の公式値が確認できなかったので空けています。2010年の数字は当時の国の定義で、定義は2017年に変わっています。出典:福岡市 保育の施策資料、2024年 入所状況。

数字でみる16年(2010年ごろ → 最新)

指標2010年ごろ最新読むときの注意
人口146.4万人2010 国勢調査166.3万人2025 国勢調査16年で約20万人増えた。
65歳以上の割合17.6%22.3%2025若い市だが、高齢化は進んでいる。
生まれた子の数14,483人11,467人2024人口は増えたが、出生数は約2割減った。
保育所などの定員24,349人約42,000人202416年で約1.7倍。
市税の収入2,654億円2010年度3,837億円2024年度 決算2017年度に先生の給料の財源が県から移った分が含まれるので、増えた分の全部が景気によるものではない。
市の借金(市債残高 全会計)2兆3,633億円2010年度末1兆7,684億円2024年度末減り始めたのは2004年度のピークからで、就任前から続いている。
観光客(入込客数)1,642万人2,441万人20242020年に数え方が変わったので、厳密には比べられない。
市長選の投票率43.67%34.31%20222018年は31.42%で過去最低。

出典:福岡市「参考データ集」2026年9月、R7国勢調査 確報、財政のあらまし H23版、財政のあらまし R6版

本人が挙げた数字を確かめる

2026年8月24日の会見で、高島さんは「次の市長選挙には立候補をいたしません」と述べました。理由として、首長には予算や人事の権限が集まるので、同じ人が長く続けることには慎重であるべきだ、と説明しています。そのとき挙げた16年の成果を、市の資料と照らしました。

本人の発表市の資料で確かめた値照合
人口 20万人増146.4万人 → 166.3万人(国勢調査、+19.9万人)合う
税収 1.6倍2,654億円(2010年度)→ 4,172.6億円(2025年度 決算見込み)で約1.57倍合う財源の移し替え分を含む
市政への信頼度 41% → 84%超2023年度の市政アンケートで「信頼できる」計84.9%。41%の元の調査は見つからず半分だけ
1人あたり市債残高 ピーク時の半分以下市民1人あたり(臨時財政対策債を除く)154万円(2010年度)→ 87万円(2024年度)おおむね合うピークは就任前の2004年度

出典:2026年8月24日 市長定例会見、TNC 2026年8月24日、市政アンケート R5第5回

見方が割れているところ

同じ事実でも、立場によって読み方が違うものです。両方を並べます。

PART 3

今回の候補者

11月1日の告示のあとに追加します。

出馬を表明した人は13〜14人と報じられていますが、正式な顔ぶれは告示日の届け出で決まります。追加するときは、全員を届け出順に同じ形で並べ、一人ひとりの約束をPART 1の3つ(市長だけでできる/議会の賛成がいる/国や県の担当)に仕分けます。材料は、市の選挙管理委員会が出す選挙公報です。

それまでの一覧:西日本新聞「立候補予定者の一覧」、選挙ドットコム

このページの決まり
  1. どの候補者・政党も応援しません。良い・悪いの言葉はつけず、事実と出典だけを並べます。
  2. 候補者は全員を同じ形・同じ分量で、届け出順に並べます。
  3. 本人側の発表と、特定の立場の媒体には印をつけます。
  4. 確かめられなかったことは、推測で埋めずに「確かめられず」と書きます。
  5. 投票日(11月15日)当日は更新しません。